君たちはどう生きるか
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毎週、NHKラジオの「飛ぶ教室」を聞くようにしています。
パーソナリティは、作家の高橋源一郎さん。
好きな作家の一人です。
評論家としても素晴らしい仕事をされていて、
同時代人の内田樹さんや、糸井重里さんとも仲良し。
この番組で、毎週「秘密の本棚」と称されて、一冊づつ推薦図書が紹介されます。
高橋源一郎のオススメなので、ハズレがあるはずもなく、
私はなるべく読むようにしています。
先週は、吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」という昔の本が取り上げられました。
私の父が生まれる3年前、戦時中に発行された本。
宮崎駿の新作は、この本と同タイトルですが、
基本、冒険活劇で、直接のつながりというより、宮崎さんなりの
私はこう生きるという表現の映画だと、世間も私も思ってたのです。
宮崎映画は、自由に解釈や分析がなされ、
それなりに説得力もあって、そういうものも楽しめます。
しかし、高橋さんの本の紹介を聞いて、
宮崎さんは、この映画で、本の「君たちはどう生きるか」の影響を深く受けていること、
そのアンサーがこの映画なのだろうということを知りました。
「君たちはどう生きるか」という本の主人公の少年はコペル君と言います。
コペルニクスから取られたニックネームです。
地動説を唱え、弾圧されたコペルニクス。
この本が出版された1937年は、戦時下であり、反戦を言えなかった時代です。
「君たちはどう生きるか」という問いを宮崎さんもあの映画で突きつけている。
本の原作者の吉野源三郎も。
コペルニクスのように、自分を貫いて生きることができるか?
宮崎さんも、宮崎さんなりに、コペルニクスのように生きてきた。
吉野源三郎も。
どんな時代でも、そのように考え生きるのは簡単じゃない。
その上で、私たちは、やはり問われています。
君たちはどう生きるかと。