インデップの創業者、荒井政善は、1940年1月13日、愛知県岡崎市に生まれた。

戦時であり、父親の荒井惣一は徴兵されて戦地にいた。

 

 

その後、帰郷してもすぐにまた南方に送られ、2番目の長女の出産のときも父親は不在。

母親の加根子は、たった一人で2人の子供を終戦まで育てなければならなかったのである。

戦後の貧しさは、さらに厳しいものとなり、家族は食べていくことができず、
政善は、早々に口減らしのように、住み込みの丁稚に出された。
それが、インデップ創業の地、福山だった。

政善23歳の時、国鉄福山駅の前の雑居ビル。
わずか3坪の空きが出た。
政善は、迷わず、貧しさから抜け出るため、商売を始めたのだ。

 

 

以来、売れるものは何でも売った。
生き延びるために必死で頑張った。
元旦以外は、休みなく、1日15時間毎日働いた。

しだいに、商売のコツを覚え、仲間ができ、
地元で作られる婦人衣料を中心にあつかう繁盛店になっていったのである。

 

 

政善は、故郷を出て以来、優しかった母の手の温もりを忘れたことはなかった。
いつしか、母に喜んでもらえる服を作って恩返ししたいと思うようになった。

政善の母を想う強い気持ちが、この事業を成長させていったのである。